人工肛門(消化管ストーマ[伸ばさずストマと呼ばれることもあります])とは、消化器系疾患などを患うことで大腸や小腸の一(全)部を摘出する等によって肛門の使用が困難になった時に、消化管や尿路を人為的に体外に誘導して造設する消化管排泄孔のことです。
人工肛門は大きく分けて「結腸(コロストミー、コロストーマ)」に造設する場合と「回腸(イレオストミー、イレオストーマ)」に造設する場合があり、造設する期間も一時的な場合と永続的な場合の2パターンがあります。一般的に、人工肛門をしている方は「オストメイト」「スト(ー)マ保有者」と呼ばれ、ストーマにストーマ用装具(パウチと呼ばれる便を収容する袋など)を取り付け、パウチから排泄した便を一時的に収容するようにして生活しています。
※従来 ストーマ装具の装着交換は、医師法によって医療行為とされていたため、医師・看護師・オストメイトおよびその家族しか装着交換を行うことはできませんでした。しかし、ストーマ装具の技術的な進歩によって皮膚保護材も発達してきたことから、平成23年7月5日付けで厚生労働省は『肌との接着面に皮膚保護機能のあるストーマ装具の交換について、ストーマおよびその周辺の状態が安定している場合等、専門的な管理が必要とされない場合には、その剥離による障害等のおそれは極めて低いことから、当該ストーマ装具の交換は原則として医療行為に該当しない(=適切な知識や技術を身につけた介護職員でも可能)』旨の見解を示しました。
参考)http://www.joa-net.org/contents2/jp/infodwnloads/stoma%20ap.ex.pdf