経管栄養(鼻腔経管)とは、経口摂取(口からの食べ物や飲み物の摂取)が不可能あるいは不十分な患者に対し、鼻から消化管内に通したチューブを用いて流動食を投与する処置のことです。しかし、経管栄養(鼻腔経管)には再挿入時の誤嚥や、長期挿入での副鼻腔炎と言ったリスクが存在するため、長期に渡って必要な場合には胃瘻や十二指腸瘻を行うことが一般的です。
※従来、経管栄養(経鼻経管栄養)は医行為に該当し、医師法等により医師・看護師等のみ実施可能となっており、厚生労働省の通知によって介護職員等による経管栄養(経鼻経管栄養)等は、当面のやむを得ない措置として、一定の要件の下(本人の文書による同意、適切な医学的管理等)で、認められてきました(実質的違法性阻却)。
しかし、平成24年4月1日より「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」(平成二十三年法律第72号)により、介護職員等による経管栄養(経鼻経管栄養)等が将来にわたってより安全に実施されるように「社会福祉士及び介護福祉士法」が改正され、一定の研修課程を修了した介護職員等(①平成27年以降の介護福祉士試験に合格した者、②介護職員等であって経管栄養(経鼻経管栄養)等の業務の登録認定を受けた認定特定行為業務従事者)は、医療や看護との連携による安全確保が図られている等、一定の条件の下で「経管栄養(経鼻経管栄養)」を実施することが可能となりました。なお、個人・法人を問わず、経管栄養(経鼻経管栄養)等を業として行うためには、事業所ごとに一定の要件(医療関係者との連携、安全確保措置等)を満たしている旨の登録申請を行い、登録事業者となることが必要です。